「…… そうそう、こないだの興行に出てた選手の中に、すごく綺麗なおっぱいの娘がいたわよ。」
「ふぅ〜ん。……」
「私の見たところ、形も大きさもあなたより上ね。これであなたの、RXライト級美巨乳ナンバーワンの座も終わりのようね、ジェニー。」
「えっ、な、何ですって?」
「ビビアンって娘よ。嘘だと思うんなら、ネットのプロフィールページででも確かめてご覧なさい。」
「…… わ、…… わかったわ。ありがとう。…… じゃ、また今度ね。」
モデル上がりの美人ファイターとして、RXの人気選手であるジェニーの一番の自慢は、その大きくて形のいいバストだった。「これだけは、他の選手には負けない。」
…… ジェニーはそう自負していたし、手入れにも人一倍気を遣ってきた。
選手仲間から、「あなたよりも上のおっぱいのライト級選手がいる。」と告げられたジェニーは、電話を切るとすぐにPCの電源を入れ、RXのホームページを開いた。
話のあった、ビビアンという名前の選手のプロフィールページに辿り着いたジェニーは、モニタに映し出されている写真に見入った。
「確かに、綺麗で大きなおっぱいだわ。……」
そう呟きながら、ジェニーは、テキスト欄に視線を移した。そこに書かれていたビビアンのボディサイズによれば、身長はジェニーよりも少し低いのに、バストのサイズはジェニーよりも1インチ大きかった。
また、ビビアンは、RXボクシングデビュー以来三戦三勝で、いずれも早いラウンドでKO勝ちを収めているとの記載もあった。自分はデビューしたばかりの頃はなかなか勝てなかったのに、この娘は、……
そう思うと、ジェニーは、何だか悔しくてたまらなくなってきた。
「うーん、癪に触るわねぇ。…… 決めた。次は、この娘とボクシングで試合よ! この娘のおっぱいが本当に私より大きくて綺麗かどうか、じかにこの目で確かめてやる。……
もしそうだったら、リングの上で堂々と殴り潰してやるっ!!」
そう叫んだジェニーは、両手をキーボードの上に移し、RXの事務局に宛てたメールを作成し始めた。
ビビアンとの試合を希望。早急にマッチメイクを乞う。……