さて、第三話からはプロ編です。では、前のお話でちらっと出てきた「AFI」という団体がどんな試合を行っているのか、なんちゅうお話を(ぶっちゃけ、これもお話の中で描写するのが面倒だからです)。
このルールは、絵が出来上がっていくさまを眺めながら、チャットに参加している人たちで、「プロなんだからお客様本意」とか言いつつ、お互いに考えうる「エロいシチュエーション」をあーだこーだしながら、何となく固まっていきました。
一番のキモは、「グローブは特殊緩衝材でできていて、その代わりに、性的刺激促進剤、つまり媚薬がたぁーっぷり染み込んでいる」ということ(ここらへんがめっちゃファンタジー)。パンチの威力はかなり緩和されるんですが、パンチを受けるごとに、それが性的な刺激に変換されることになって、選手はそれとも闘うことになります。で、もちろん、殴られ続けると、……
そのう、…… イっちゃうわけですね。
ほんじゃ、そのあたりも含めて、AFIボクシングのルールを、ちょっと箇条書きにしてみましょう。
えーと、AFIのボクサーはアンダーウエア着用禁止ですから、試合に負けてトランクスをリングの上で失うってことは、丸裸にされるってことなんですね。プロの世界は大いにお客様本意であり、厳しいのです(笑)。
どうです? 試合の様子を想像してみると、かなりエロいでしょう?
それでは、そんなプロの世界に身を投じた慧と麗子のエロエロな闘いぶり満載の、第三話「プロ・デビュー戦編」、じっくりとお楽しみくださいませ。
第三話
次の週、慧は再び麗子の家を訪れた。まだ医師から練習再開の許可が下りていなかったので、二人は直接麗子の部屋へ向かった。
「昨日ね、AFIから最新のタイトルマッチの映像が送られてきたの。一緒に見よ。」
部屋に入るなり、麗子はそう言ってビデオデッキに一本のテープを装着し、再生のボタンを押した。そして、ベッドを背にしたモニターの正面の位置に、慧と並んで腰を下ろした。
すぐに、画像の下の方に『AFI』と固定スーパーインポーズが入った映像が浮かび上がり、試合の模様が流れ始めた。青コーナーには、青いグローブ、白地に緑色トリムのトランクス、緑のシューズのブルーネットの女性が、対角線上にある金色のコーナーからは、金色のグローブに、ゴールドと黒のコンビのトランクスとシューズを身につけた金髪の女性が居た。どうやら、こちらがチャンピオンと言うことなのだろう、と慧は思った。
二人とも上半身に何も身につけていないこと、レフェリーがリング上に居ないこと、インターバルがないことなど、慧の目には、AFIの試合がずいぶん奇異な感じに映っていたが、それでも試合が始まってから十分ほどの間は、普通のボクシングの試合と変わらない闘いが続いていた。
しかし、挑戦者がチャンピオンの連打を浴びて最初のダウンを奪われたあたりから、様子がおかしくなってきた。それまで、顔とボディに打ち分けられていたチャンピオンのパンチが、挑戦者の乳房にもヒットするようになり始めた。挑戦者の手がまるで出なくなり、ガードもままらななくなってきた。
やがて、大きな乳房に数十発の連打を浴びた挑戦者は、再び膝を折り、キャンバスに両手をついた。四つん這いになっている挑戦者の映像がアップになると、湧き出た蜜によって、挑戦者の女性自身が、白いトランクスにくっきりと浮き出ていた。
「あ、イっちゃったわね。」
「ああ、そうみたいだねぇ。」
「あれだけおっぱい攻められたら、たまらないでしょうね。さすがはチャンピオン。ちゃぁんとアクメファイトのツボを心得てるわ。」
「でもさぁ、おっぱいって女の子にとっては急所じゃない? あれだけ攻められたら、イくより前に痛くてたまんないんじゃないのかなぁ。」
「パンチの威力は、グローブの素材が緩衝材になってかなり落ちるらしいのね。でも媚薬の威力は強烈みたいよ。二、三発パンチをもらっただけで、もう疼いちゃうんだって。」
「うーん、疼くのかぁ。……」
「あ、性的刺激促進剤って言わなきゃいけないんだっけ。面倒くさいから、媚薬でいいわよね。」
二人がそんな会話を交わしていると、挑戦者がよろよろと立ち上がった。が、表情には鋭さが感じられず、まだわずかに震えている両脚は、完全に内股になってしまっていた。余裕たっぷりに挑戦者に近づいたチャンピオンは、再び挑戦者に襲いかかった。
あっという間に挑戦者をコーナーに追い詰めたチャンピオンは、挑戦者の全身にパンチを浴びせた。挑戦者がクリンチに逃れようとすると、チャンピオンは待ってましたとばかりに身体を押し付け、汗で光る乳房同士を合わせて、上半身をグラインドさせた。
何度かこんなやり取りを続けたあとのクリンチで、挑戦者の身体がびくんと大きく震え、両腕がだらりと垂れ下がった。チャンピオンの肩に乗っているだけの顔からは、完全に精気が失われ、口から涎が流れ出ていた。チャンピオンがふてぶてしく微笑み、挑戦者の両脇に差し入れていた腕を抜くと、挑戦者は、すでに脚にも力が入らなくなっていると見え、その場に崩れ落ちそうになった。
完全に無防備になった挑戦者に向かって、チャンピオンの右腕が鋭く横に振り切られた。挑戦者のアゴが一瞬だけ九十度近くに捻じ曲がり、挑戦者の口からマウスピースが弾け飛んだ。挑戦者はそのままキャンバスに前のめりに倒れ、うつ伏せに四肢を投げ出したまま、痙攣し始めた。リングの外に控えているレフェリーとサブレフェリーは、一斉に挑戦者が戦闘不能になったと判断したことを伝えるボタンに手を掛けた。会場に試合終了を告げるブザーが鳴り響き、試合は終わった。
チャンピオンは、キャンバスの上にだらしなく横たわっている挑戦者を爪先で裏返すと、グローブをつけたまま、楽しそうに挑戦者の白いトランクスを剥ぎ取った。そして、挑戦者の股を大きく広げ、その乳房を左足で踏みつけて、戦利品となったトランクスを掴んだ右手を高々とかざし、勝者のポーズを取った。哀れな姿になってしまった挑戦者は、白目を剥いたままひくひくと身体を震わせ続け、剥き出しの女性自身から、まだとろとろと透明の液体を溢れさせていた。
「……… 凄いなぁ。………」
思わずそう声に出した慧の胸元へ、麗子の手が伸びてきた。麗子が慧の乳房を優しくさすると、慧は寄せられた麗子の顔を少しだけ見つめ、力なく視線を床に落とした。慧の乳首はすでに勃ち始め、麗子の掌がそこに触れると、慧は熱い吐息を洩らした。
「あ、サトルも感じちゃったんだ。…… 私もよ。……… ね、ベッドの上でしよ。」
「…… うん。……」
慧がコクリと首を縦に振ると、二人は立ち上がり、衣服を脱ぎ捨ててベッドの上に横になった。麗子が慧の身体に覆い被さり、荒々しく唇を奪うと、慧は麗子の身体を抱きしめ、ぴったりと麗子と乳房を重ね合ったせて、上半身を艶かしく動かした。
学生として最後となる三年の秋季対抗戦が終わると、ボクシング部員としての活動も終わりになる。慧は、学校の授業が終わったあと、麗子の家を訪ねて麗子と一緒に練習に励むことが多くなってきた。
麗子が新しいAFIの映像を手に入れると、二人は麗子の部屋でそれを鑑賞した。そして、その直後に性的に昂ぶった状態でベッドインすることが、二人の愛の営みのパターンに加えられた。
二人がそれぞれの卒業式を終えてから半月ほど経ったあと、慧の元に一通のエアメールが届けられた。慧が『AFI』とロゴの入ったそのエアメールの封を切ると、慧のAFIデビュー戦となる試合の契約書が同封されていた。契約書には、慧のデビュー戦は二ヵ月後、日本で始めて開催されるAFI興行のオープニングマッチに組まれる、とあった。相手の名前は、………
「レイコ・フジサキ・ハワード」だった。
慧も麗子も、AFIと契約するに当たり、お互いを相手にデビュー戦を行えるようAFI側に希望を出していたが、それが叶ったことで慧の心はときめいた。
試合の契約書を手に、慧は麗子に電話をかけた。電話口に出た麗子は、自分の手元にも契約書が届いたこと、相手が慧だったことがわかったので、とても喜んでいることを伝えた。二人はさっそく、翌日麗子の家で会う約束をした。
次の日、二人は麗子の部屋の中でお互いの身体を軽く貪り合ったあと、全裸のまま絨毯の上に腰を下ろし、AFIから届いた試合契約書を見せ合っていた。
「あっ、レイは、初めからSAクラスなんだ。」
「そう。ルーキーとしては、最高の査定をいただいたことになるわね。サトルは?」
「ボクはSBクラス。これでもかなりいい評価みたいだけど、レイより一つ下だね。……
うーん、デビューの時点で差をつけられるのは、何か癪だなぁ。あー、やっぱり、最後の対抗戦で負けちゃったのが響いてるのかなー。」
「そうかも知れないわね。…… あ、そうそう。私の方がランクが上だから、試合のオプションを決める権利も全部私にあるのね。……
んふふー、どうしよっかなー。…… せっかくだから、思いっきり媚薬を強烈にしてもらおうかな。確か、そんなオプションあったわよね。」
「…… それって、…… 殴られるたんびに、すごい快感が襲ってくるってこどだよねぇ。……
レイって、そんな趣味があったんだ。……」
「あら、サトルは嫌なの?」
「…… べ、… 別に、…… 嫌じゃないけど、……」
「なら、いいじゃない。それに、どれだけ性刺激的に激しい試合をしたかもAFIの査定基準になるのよ。…… あ、リングの上で私にイカされるのが怖い?」
「… そ、…… そんなことあるもんか。……」
「じゃ、決まり。媚薬の効力は目一杯、ってとこでオプション指定しとくからね。……
リングの上でサトルを何回もイカせてあげることができるのかぁ。楽しみだなぁ。すんごく気持ちよく失神させてあげるから、感謝しなさいよ。」
「ふん。ボクだって負けないよ。ガンガン打ちまくって、身体中痙攣が止まらなくなるぐらい感じさせてやるからな。」
「あら、言ったわね。…… それなら、お互いどのくらいエッチな刺激に耐えられるか、今から試してみる?」
「望むところさ。それに、レイの弱点も今のうちに探っておかないとね。」
慧がニヤリと笑って麗子の顔を見つめると、麗子も妖しい笑顔を返した。二人は顔を近づけ、お互いの頭に腕を回して、唇を触れ合わせた。そして、相手の身体に乳房を押し付け合い、再び愛の営みを始めた。
記念すべき、初めてのAFI日本開催のオープニングマッチ。試合がまさに始まらんとするリング上で、慧と麗子は、少し緊張した面持ちで睨み合い、軽く乳首と股間とを擦りつけ合っていた。
麗子が少し身体を捻ると、しこった乳首が擦れ合い、慧はぴくんと身体を震わせた。その仕草を見て、麗子は余裕の笑みをこぼした。
「うふふ。サトル、もうずいぶん感じちゃってるんじゃないの? おっぱいぴんぴんよ。下の方だって、もうびちょびちょでしょ。透けて見えてるわよ。」
「何言ってんだ。レイだってそうじゃないか。…… 必ずKOして、リングの上でトランクス剥ぎ取ってやる。汁でぐちょぐちょになったおまんこを観衆の前に晒させてやるから、覚悟しなよ。」
「あら。今のセリフ、そっくりそのままお返しするわ。たっぷり可愛がってあげるからね、サトルくん。」
麗子の指定した試合オプションに従い、二人は十五分ほど前に相当量の媚薬を服用しており、その影響で全身から吹き出た汗によって、二人の身体は、カクテルライトを浴びて光り輝いていた。薄手のトランクスの股間にもはっきりと濡れ跡が染み出し、すでにかなりの疼きが二人の身体を襲っているいるように見えた。
長い睨み合いが終わり、二人はそれぞれのコーナーに戻った。観衆からの大きな拍手と歓声の中、「レディース・エンド・ジェントルメン、ヒア・ウィー・ゴウ!」と流暢な英語のアナウンスが流れると、ますます会場のボルテージは上がり、歓声も一段と大きくなってきた。それを切り裂くように「ファイト
!!」のアナウンスが流れ、試合開始のゴングが、高らかに鳴り響いた。
二人はゆっくりとコーナーを離れ、真剣な表情を崩さないまま、リングの中央で軽くグローブを合わせ、ファイティングポーズを取った。
実力が伯仲している二人の闘いだけに、試合が始まってからしばらくの間は、ほぼ互角の闘いが続いた。が、そのうちに、二人の間には戦術の違いが表れるようになってきた。麗子は慧の乳房に狙いを定めているのか、どんどん前に出て、接近戦に持ち込みたい感じだった。慧は盛んに足を使い、ときおり踏み込んでは足を止めて、麗子の顔面に痛打を浴びせていた。
試合が激しさを増すにつれ、少しずつ慧が押し始めた。乳房に狙いを絞るあまりに多少ガードが下がり気味になっていた麗子は、顔面に慧の鋭いパンチを食らい続けた。緩衝材入りの特製グローブとは言え、パンチをまともにもらってしまえば、そのダメージは小さいわけではなかった。
それでも麗子は強引に接近戦に持ち込もうとしていたが、うまく慧にタイミングを合わされ、アゴに強烈なカウンターを食らった。ふらついた麗子に、慧は一気にラッシュを仕掛けた。中途半端なガードしかできなくなっていた麗子の顔面に、ボディに、乳房に、畳み掛けるような慧の連打が炸裂した。
このラッシュは、麗子に肉体的なダメージだけでなく、大きな性刺激的ダメージをも与え続けた。慧のパンチを浴びるごとに、刺すような快感が麗子の身体を駆け抜けた。やがて、耐え切れなくなった麗子は膝を折り、へたり込むようにキャンバスに両手をついた。
「…… あぅん、…… あぅうっ、……」
麗子はキャンバスに四つん這いになって、荒い呼吸の合間に切ない呻き声を洩らした。やがて、頂点が近づいてくることを感じ取った麗子は、それを我慢せずに、本能の赴くままに身体を開放した。「あぅんんっ」とひときわ大きな声を洩らした麗子の股間から黄金の湧き水がどっと溢れ、その快感の中で、麗子は頂点を迎えた。
相変わらず四つん這いのままでぶるぶると身体を震わせ、ブルーのトランクスから黄金色の雫を滴らせている麗子は、そばでその様子を見つめていた慧に向き直り、今までに見せたことがないほどの、魔女のような妖しい笑みを慧に投げつけた。そして、慧の顔から視線を外さないまま片膝を立て、ゆっくりと立ち上がった。
慧は、いつもと違う麗子の雰囲気に一瞬怯んだが、すぐに麗子に襲い掛かった。麗子もダウンしたことなど微塵も感じさせずに、慧のパンチを浴びるごとに股間から黄金色の雫を飛び散らせながら、真っ向からこれに応戦した。
それでもやや劣勢気味のレイの動きはだんだんと鈍ってきた。また、慧の身体にも、徐々に疲れや媚薬の効果が溜まりはじめてきていた。相変わらず慧のパンチは麗子を捉え続けていたものの、慧の腕の振りには鋭さが感じられなくなってきた。
やがて、慧が麗子をコーナーに追い詰めた。慧のワンツーが綺麗に麗子の顔面を捉えると、少しだけよろめいた麗子は両腕を慧の身体に回し、慧に凭れかかってきた。「レイはもう、一回イっちゃってるし、あと少しで完全にKOできる…」、そんな考えを頭に巡らせた慧の耳元で、麗子が囁いた。
「…… 捕まえた。…… もう逃がさないわよ。……」
麗子は慧の身体をぐっと引き寄せ、乳房を押し付けてきた。すると、微妙な快感が、慧の身体に心地良い電流となって流れはじめた。
慧はクリンチから逃れようともがいたが、「もう逃がさない」の言葉通り、麗子は慧の身体をがっちりとホールドしたまま、腕を解こうとはしなかった。麗子はますます腕に力を込めて、慧の乳房を責め始めた。麗子が微妙に身体を捻ると、慧の口から熱い吐息が洩れるようになってきた。この試合をアクメファイトと割り切った麗子の攻撃が、ここに来て、慧に牙を向いた。
やがて、慧の表情がぼやけ、腕にも力が入らなくなってきた。麗子は体勢を入れ替え、慧をロープに押し付けて、さらに容赦なく慧の乳房に責めを加えた。麗子が積極的に身体をくねらせ、二人の乳首が擦れ合うと、慧はだらしなく喘ぎ声を洩らした。
「だいぶ効いてきたみたいね。うふふ。…… 今までずいぶん我慢してサトルのおっぱいを集中的に攻めてきたんだからね。これからがお楽しみの時間よ。」
尚も麗子が慧の乳首に刺激を与え続けると、不意に慧の膝がカクンと折れ、麗子の腕の中から、汗まみれになった慧の身体が滑り落ちた。慧はそのままキャンバスにへたり込み、びくんびくんと二度身体を震わせた。慧はあっさりと頂点に達してしまっていた。
しばらくすると、溢れ出る愛液に股間をぴったりとトランクスに張り付かせたまま、慧は背にしたロープを掴んでゆっくりと立ち上がった。しかし、麗子のときとは違い、一度頂点を迎えても、慧の身体の疼きは一向に収まらなかった。
慧が立ち上がったことを確認すると、麗子はすっと慧に近づいた。それでも慧は、中途半端に腕を上げたまま、腰の引けた構えを取ることしかできなかった。麗子のアッパー時気味のフックが、アゴと一緒に慧のガードをしゃくりあげると、すかさず麗子は慧の乳房に速射砲のような連打を浴びせた。その一発ごとに、慧の身体には怒涛のような快感が押し寄せてきた。
ついには、慧はロープを背にしたまま、棒立ちになって快感に耐えるだけになってしまった。攻めることも身体を守ることもできなくなってしまった慧に、麗子の連打が降り注いだ。慧の瞳は完全に精気を失い、だらしなく開かれた慧の口からは涎が流れ落ちていた。
麗子は一度パンチを打つ手を休め、慧に抱きついた。麗子が慧の乳房にぴったりと身体を合わせると、慧の乳首が可愛そうなほど、ぴんぴんに尖り切っているのが感じられた。麗子がそのまま軽く身体を捻るだけで、慧は涎まみれの口から、情けない声を洩らすだけになっていた。
「そろそろ終わりかしら、サトル?…… じゃ、これでおしっこ洩らしながら、気持ち良くイっちゃいなさい!」
レイの右腕が大きく後ろに引かれ、横一文字に振り切られた。レイの青いグローブが慧の左の頬にめり込み、その衝撃で慧の身体は一瞬だけ浮き上がり、慧はそのままロープからリングの外に飛び出さんばかりになった。
慧は両足はキャンバスを離れ、両腕と両脚でロープに絡まっているだけになっていた。慧の大きく広げられたままになっている股間から、麗子の言葉通りに、勢いよく黄金色の液体が噴き出し、失禁の快感の中で、慧は試合が始まってから二度目の頂点に上り詰めていた。
麗子は、レフェリーが慧を戦闘不能と判断すると確信し、宙吊りになってまだ股間から雫を垂らしている慧の姿を眺めながら勝者のポーズを取ろうとした。が、いくら待っても、試合終了を告げるブザーは鳴らなかった。
どうしてこれで戦闘不能とみなされないんだろう。…… 少しの間、頭だけを働かせた麗子は、AFIのルールに「レフェリーが、ダウンした選手を戦闘不能とみなした場合云々」と書かれていたことを思い出した。
「…… あ、そうか。これじゃ、ダウンにならないんだ。……」
蓄積したダメージ、疲労、強力な媚薬の効果、…… 慧の身体は、あらゆる刺激を凄まじいほどの快感に変換するだけのものになってしまっていた。麗子がロープに絡まったままになっている慧に近づき、青いグローブで慧の乳首に軽く触れると、慧はだらしのない呻き声を洩らした。慧は二度目の頂点を迎えたばかりだったが、その身体は、すぐに次の頂点に向かって短い坂道を登り始めていた。
「良かったわね、サトル。まだ終わりじゃないんだって。…… せっかくだから、あと一回分サービスしてあげるわね。」
麗子が慧の耳元でそう囁いても、慧には何の反応もできなかった。
麗子は少し腰を屈め、相変わらずはちきれんばかりに勃起している慧の乳首を口に含み、片手で慧の乳房を、もう片方の手で慧の股間をいじり始めた。慧の呻き声は止まらなくなり、慧の口からはだらだらと涎が流れ落ちた。
敏感な部分を責められた慧は、あっと言う間に坂道を登り終えようとしていた。それを感じ取った麗子は、乳首と股間を刺激する手を休め、慧の身体をロープから引き剥がした。そして、慧の背後に回り、慧の身体を支えながら、ロープから離れた。
リングの真ん中まで来ると、麗子は両手のグローブで背後から再び慧の乳首と股間を責めた。そして、慧が三度目の頂点を迎える寸前ですっと身体を横にずらし、慧の片足を右手で抱え挙げると、バランスを崩して倒れかけた慧の顔面に、強烈なストレートを放った。
麗子のフィニッシュブローまともにもらっても、慧は痛みを感じなかった。が、その刺激は大きな快感に変換され、慧の身体を突き抜けた。慧はキャンバスに仰向けに着地する前に、三度目の頂点を迎えていた。
慧の意識はまだかすかに残っていたが、もう慧には自分の身体をコントロールすることができなった。だらしなく呻き声を洩らしながら涎を垂れ流し、ぴくぴくと身体を痙攣させて大の字に伸びたままの慧を見て、レフェリー、サブレフェリーの三人は、一斉に試合をストップさせるために、手元のボタンに手を掛けた。
やがて、場内に大きなブザーの音が鳴り響いた。白い詰襟のシャツに黒い蝶ネクタイをつけたレフェリーがリングに上がり、青いグローブに覆われている麗子の右手を高々と掲げると、麗子は左手も高く挙げ、会場を埋め尽くした観衆に、勝利をアピールした。
右手を離したレフェリーに促されて、麗子は慧のトランクスに手を掛け、それを慧の身体からゆっくりと剥ぎ取っていった。おびただしいほどの汗、愛液、お小水を吸い込んだ白いトランクスは、ぬめるように慧の両脚の上を滑り、やがて完全に慧の身体を離れた。麗子はそれを左手で掴んだまま慧のすぐ横にひざまずき、相変わらず全身を痙攣させている慧に最後のメッセージを送った。
「気持ち良かったでしょ、サトル。感謝しなさいよ。」
麗子がそう言いながら、慧の乳房を軽く刺激すると、それに呼応するように、身体に残っていた最後の愛液が、慧の股間からぴゅっと噴き出した。慧は小さな呻き声を残し、四度目の頂点を迎え、完全に意識を手放した。
それを見届けると、麗子は立ち上がって両手のグローブで慧から奪い取ったトランクスを広げ、それを高々とかざして、再び勝者のポーズを取った。
つづく ………