All about Erotic Fight #10 --- 2007.12.11

Medusa【拷問ボクシング 4】について考える



 Medusaさんの、【拷問ボクシング】シリーズは、ドミテイストであることがはっきりしているので、シリーズ一作目が出たときから、「乳さえビシッと見せてくれれば、銭打ってもいいんだけどなー」と思ってたんですが、 このたびめでたくトップレス対決となり、「今回はレズ風味」だとも謳ってくれてるので、んもう購入意欲大爆発状態で【4】を買いました。…… ってことで、例によって、思いついたことを思いついたままに。


 全体像のご紹介から。作品のランニングタイムは54分です。今風(?)に言うと「一本勝負」で、その間インターバルのようなものはナシ。また、ダウンがあってもカウントはナシで進行していきます(レフェリー役の音声などもありません)。カウントがないので、テンカウントのKOではなく、何となく「そこまで!」的にゴングが鳴り、試合終了となります。

 まず、リングインのシーンがそれぞれ一分ほどあって、その後、ゴングが鳴り、試合開始。ここから五分ほど互角っぽい展開(どちらもダウンしては、やや苦しそうではあるもののすぐ立ち上がって試合再開)があって、以降は、ヤラレ役の水島かれん嬢が、一方的に攻め役の岩田小春嬢の攻撃に晒され、ダウンを繰り返します。

 トータル20分ほどのところで、コーナーに追い込まれたかれん嬢が、小春嬢のボディブローを受けてマウスピースを吐き出し、その二分後ぐらいに小春嬢が自らマウスピースを吐き捨てるシーンがありますが、この辺りを境に、そこまでは何とか立ち上がる努力をしていたかれん嬢が、自力でまったく立てなくなり、マウント状態でヤラレ始めます。乳擦り、乳揺らしなどのエロレズ攻撃が始まるのも、だいたいこの辺りからですかね。

 んでもって、かれん嬢が小春嬢に無理矢理立たされて、クリンチっぽい揉みあい → 押しつぶされるようにしてダウン、みたいなシーンを何度かはさんで、最後はロープを背にしたかれん嬢の股間を小春嬢が一気に擦り、「いくぅ!」の声を洩らしたかれん嬢が、ロープに腕を引っ掛けた状態でぐったりしたところでゴングが乱打され、試合終了。…… ま、時間を追っていくと、だいたいこんなとこでしょうか。


 トップレスボクシング、テイスト的にはドミドミ、レズ攻撃あり、…… と、ここいらは個人的に「ど真ん中」なんですけど、…… んー、なんちゅうか。……

 攻め役の小春嬢は、日焼け肌、長身痩躯、ややキツめのお顔立ちで、「ドミ作品の攻めキャラ」ということを考慮すると、かなりいい感じ(これは個人的に)だと思うんですが、その「見た目はすごくいい感じの攻めキャラ」が、シナリオ的にもドミドミで勝ち役なんだけど、何かもう、すんごく一生懸命。ヤラレ役が「もう反撃できませんモード」に入っても、一生懸命さが、息遣いだの表情(「形相」と言うべきか)だのに、はっきりと出ちゃってる。つまり、虐め役、嬲り役としての余裕とか、邪悪さ、凶悪さが感じられないんですね。これは、この作品の最大の失敗だと思います(制作サイドが一生懸命攻めを意図しているのかも知れないが、もしそうだとするとセンスがなさすぎる)。この「攻め役の余裕、邪悪さ」ってのは、ドミテイスト作品の「キモ」だと思うんですね。タイトルが【拷問ボクシング】なんだから、ドミ展開になったら、攻め役は、動き自体は激しくても、最低限、顔は薄笑いを浮かべてるぐらいでないといけないでしょう。

 ヤラレ役のかれん嬢は、ヤラレ演技そのものは割と良くできていると思う。「立てない度」が、時間の経過とともに増えていってるし、既存の作品にはすごくありがちな、苦労して立ち上がった直後に、軽快なフットワークに戻っちゃったり、自分から進んで相手に近寄っていく、なんてこともあまりない。自分がこの小文集で何度も言ってる、「衰弱していくさま」に関して、そこそこやってくれてる気がします。加えて、「相手の攻撃を嫌がる」ことも、ちゃんとやってくれてるので、この意味でもポイント高いです。ただ、もちっとカメラの位置を意識すべきでしょうね。例えば、仰向け状態から四つん這いになる、みたいな状況の時に、カメラに背中を向ける方向に身体を軸回転させているケースが多い。他のダウンシーンでも、かれん嬢の身体前面よりも、背中が映っている時間がすごく長く感じる。おっぱいももちろんそうですけど、やっぱ、できるだけ顔(苦しそうな表情)を見せていただかないとね。

 この、「かれん嬢がダウンしているときに背中が見えているケースが多い」ってのは、かれん嬢の責任ばかりではなくて、例えば「小春嬢がかれん嬢の顔のあたりに右腕をスイング → かれん嬢ダウン」というパターンが結構あるんですけど、このとき、「カメラの左側に小春嬢、右側にかれん嬢」の構図が割と多いんですね。このカメラアングルで、かれん嬢が、パンチの方向に身体を回しながら倒れこむとなると、必然的にカメラに背中を向けることになってしまいます。これはあまりよろしくない。もしかすると、パンチが当たっていないことをゴマカす(と言うとちょっと語弊があるけど)ために、このアングルから撮影しているのかも知れませんが、ここいらは、もちっと考えて欲しかったかな、と思います。

 コスを含めた小道具関係。まず、グローブいきましょか。前作は、Winningの10オンスの白黒でしたが、今回はまたWindy(多分8オンス)の赤青に戻りました。形的には、やっぱこっちがしっくりくるかなぁ。前作のやつは、手首の周りがブカブカした感じで、ちょっと不自然な感じがした。まぁこれは、グローブの形状によるものなのかか、ストラップとテープの締まり加減によるものなのかは良くわからないんだけれども。

 次はボトムウェア。んー、形状的にはかなりエロいんですけど、こういうタイプのボトムは、小春嬢のような長身痩躯のモデルさんには合わないかも。お尻の割れ目が垣間見えるのがそこそこエロいので、これはこれでいいかなとは思うんですけど、クロスの腰位置が低すぎて、脚が短く見えちゃうんですね。何か、ムリヤリ穿かされてる感じがします。あと、かれん嬢のボトム。黄色ってのはカンベンして欲しかった。グローブがきつい原色(赤)であることを考えると、コスの配色として、すごく似合ってない、と言うか、バランスが取れてない気がします。

 あと、肘と膝のサポーターですけど、これはぶっちゃけボクシングコスではないし、個人の好み的にも外して欲しい。で、サポーターをしないといけない事情でもあるのかなーと思って全編流して見た印象としては、んー、かれん嬢はビミョーなとこかなぁ。作品を通じて膝をついている時間がかなり長いので、多少保護しておきたいという配慮はわからないでもない(小春嬢の方は、そういった意味での必要性は感じなかった)。まぁ、でも、やっぱボクシングなんだから、身に付けるのはグローブ、シューズ、あとはボトムウェアのみであって欲しいです。うん。


 とまぁ、ここまで作品のあら捜しみたいな感じで書いてきましたけど、「あ、コレは嬉しい」と感じたところとか、「ああ、なるほどこういう手もあるな」と、ある意味、感心したところなんかもありましたので、そこいらをちょこっと。

 「嬉しい」と感じたのは、特にヤラレ役のかれん嬢が、マウスピースを割と長い時間咥えていてくれてること。自分は今までにエロボクシングものを何作か買いましたが、そのいずれも、「何でこんなに早く(しかも不自然な形で)マウスピースを外しちゃうんだろう」って感じてました。一発目のダウンでマウスピース吐き出し、なんちゅーのもすごく多い。でもこの作品では、「ダウンして気だるそうに立ち上がるトップレスボクサーの口からはみ出てるマウスピース」を、かなりしっかり見せてくれてる。これは嬉しいです。

 あと、「ダウンカウントを取らない」ってこと。これはねぇ、エロレズボクシングでは、手法としてスゴく 「あり」 だと思う。相手がダウンしている状態でも、攻め役が自由にエロ攻撃を仕掛けられるし、ヤラレ役がカウントの進行を意識せずに、自由に演技できますしね。バトルさんのレズボクシングシリーズのように、「ダウンカウントを進行させながらグラウンドでエロ攻撃」だと、その間の尺を取るために超スローカウント(邪魔なんだコレが)になっちゃったり、それでも尺的に不充分になって、不自然な形でグラウンドが解消されちゃう、というデメリットが出ちゃう。SSSさんの【Boxing of the Lesbian】シリーズはグラウンドでのエロ攻撃自体がないので、エロレズものとして、ちょっと薄味になっちゃう。…… ってことで、この「ダウンカウントを取らない」という手法は、今後、他のメーカーさんがレズボクシングものを制作する際にも、選択肢の一つとして考えていただきたいと思います。

 じゃあまた、シニカルな見方に戻って。この作品のエンディングは、上に書いたような状況で、もっと書くと、ゴング乱打のあと、小春嬢がすぐリングの外に出て、ロープの外から、まだロープに凭れ掛かってるかれん嬢の頭を押しつぶすようにして、キャンバスにへたり込ませる、って流れなんですけど、んー、今ひとつ物足りないかなぁ。負けた側がキャンバスに横たわってないのは、構図的にどうよ、って気がするんですよね。例えば、イかされたかれん嬢が崩れ落ちるようにキャンバスに横倒しになるとかすると、ずいぶん印象が違ってくると思います。もっと索を弄しようと思えば、@かれん嬢がイかされ、キャンバスに横たわる。→ A小春嬢が自分でカウントをし、テンカウント終了でゴング乱打。カウント前に、小春嬢が「もう立てないのかしら?」みたいにかれん嬢を弄くってもいい。→ B小春嬢の勝利のポーズ。リング内をうろつくような感じでもいい。「Winner 岩田小春」みたいなスーパーを入れるのもOK。→ C再度かれん嬢を少し弄って小春嬢退場。リング内に放置されたかれん嬢のアップ映像でフェードアウト。こんな手もあるかと。

 この作品を時間割的に分けるとすると、「(比較的)イーブンバランス」 → 「スタンディングのドミ(まだかれん嬢がダウンから完全に立ち上がる)」 → 「グラウンドが基本のドミ」ってな感じの進行になりますが、もちっと「イーブンバランス状態」が欲しかった気がします。かれん嬢が、あまりにも早くヘロヘロ状態になりすぎる、っていう印象があるんですね。顔パンチのダメージ=足に来る、ボディブローのダメージ=動き全体が鈍る、というのが基本線だと考えると、上に書いた、イーブンバランスからスタンディングドミに移行する過程で、もっとボディを打たれるシーンがあった方が、より自然に見えるんじゃないかとも思いますね。あと、スタンディングドミモードのときに、「ヘロヘロのかれん嬢のヘロヘロな攻撃を、小春嬢が難なくかわす」みたいなシーンがあっても良かったかな、と。前フリとして、横とか後ろとかに動くばかりになってしまったかれん嬢を、小春嬢が挑発する、なんて手もありそうです。ま、どれだけの時間をドミシーンに割くかは、制作サイドが何を作品のウリとしたいと考えてるかによって決まってくるものだとは思いますが。

 上の方に、「小春嬢の動きや表情に苛め役の余裕が感じられない云々」みたいなことを書きましたが、これに関して、もう少し。ダウン状態、あるいは、ダウンから立ち上がりかけたかれん嬢に、離れたところに立っていた小春嬢が近寄り、攻撃を加える、みたいなシーンが結構あるんですが、この近寄る動きが素早すぎるように感じます。「余裕がない」動きに見えてしまうんですね。それと、ドミモードに入ってからも、「強くパンチを打つ」(もちろんフリですけど)、あるいは、かれん嬢の顔やおっぱい、股間を「強く擦る」という演技がベースになってるんですけど、軽く顔やおっぱいを叩く、のような、「嬲る」という要素を盛り込むと、もっと味わいのあるドミテイストが出るんじゃないかと思います。

 更に言うと、ボクサーとしての構えや動きにもちょっと難があるかな(これはかれん嬢にも言える部分ではありますが、こちらはヤラレ役なので、多少動きがダメダメであっても、これはこれで哀れなヤラレ役っぽい感じがするので、あまり追求はしません)。構え的には、もっとアゴを引いて上半身を丸めるような感じで前傾させて、グローブの位置を上げるアゴぐらいまで上げる。これだけでもずいぶん印象が違うと思います。また、所謂ヒットマンスタイルのようにする(身体の左側面を相手に向けるようにし、左手を下げ気味)でもいいでしょう。プラス、上半身を細かく振ったり捻ったり、みたいな動きを加えるのもいいと思います。フットワークも言いたいことあるけど、んー、文章で説明するのが難しいのでパス。


 もっと細かい部分で、…

 ドミモードに入ってから、小春嬢がカメラアウトしている時間が長いように感じる(これプラス、「素早く倒れている相手に近づく」だととちょっと萎え)。もちろん、かれん嬢のヤラレ図がメインになるとは思うが、ちょっと偏りすぎの感じがします。あと、横倒しになってるかれん嬢を小春嬢が攻めているときに、小春嬢の顔がカメラの枠からはみ出しちゃってる時間も長く感じます。

 小春嬢の身体にブラのラインの跡が残ってる。多分、二本撮りで先に撮影した「異種格闘技MIX」のコスの跡だと思うが、これは何とかして欲しかったなー(もし拷問ボクシングの方が先の撮影だったら、これはこれで非常に問題アリ)。

 二人がマウスピースを外してから試合終了まで30分ぐらいあったわけだから、苛め役の小春嬢には、もっと言葉攻めをして欲しかったなぁ。

 写真撮影のフラッシュとシャッター音が、回数多すぎで、かなりウザイ。


 最後に、こんだけエロレズテイストもありで、イカセで試合終了っちゅーストーリーラインだったんだから、エロレズに関しては、もっと突っ込んでも良かったんじゃないかなぁ(個人的には、「欲しかった」と断定型になるんだけども)。グローブしてるからパンツ脱がしまではさすがに無理だろうけど、舐め、しゃぶりはやって欲しかった。…… まぁ、ここいらは、メデューサさんが何を売りたいのかとか、何を最上のエロととらえているか、みたいな部分にかかってくるわけなんですけどね。


 …… とまぁ、こうして欲しい、ああして欲しいは多々ありますが、やっぱりエロレズ要素アリのボクシング、しかもドミドミテイストのものが世に出てくれるというのは、個人的に非常にありがたい。【拷問ボクシング】のシリーズとしては、今作以前の3本がエロなし(ぢゃないかも知れないが、少なくともトップレスではない)なので、こっちが基本路線のような気がしますが、二作に一作でも、三作に一作もいいから、【4】みたいなテイストのものをリリースしていただきたいなぁと思います。えー、その際には、エロレズ要素(肌のテカリもね)はバリバリ強化で、ひとつよろしくお願いしますね。あ、そうそう、ヤラレ役は、乳関係が充実してるモデルさんで。
 


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